エレベーターのボタンと階数表示のデザインから考える「情報の階層構造」
エレベーターに乗るとき、開閉ボタンを押し間違えたり、「どっちが閉じる(開く)だろう」と少し考えてから押すことがたまにある。なぜなら、開閉ボタンのデザインがわかりにくいからである。親切に「開」「閉」で表示されていても、まず漢字が似ていてすぐには見分けがつかない。では三角マークで表示されているボタンはどうだろうか。これもまた矢印の向きだけではすぐに判断がつかない。そう、エレベーターに乗るというのは判断に時間を要さない「すぐ」に行動しなければならない状況なのである。そこで、GW中に出かけた先で乗ったエレベーターのボタンから気づいたとをここで記すことにする。
【開閉ボタンの位置】
まずは開閉ボタンの位置。ほどんどが回数表示ボタンの下にあることが多い。これは私が想像するに、車椅子用のボタンがない場合でも押しやすいように下に設置されているのではないかと思う。小さいエレベーターや古いエレベーターだと車椅子用のボタンがないことも多々ある。
また、開くボタンは左で閉まるボタンは右にあることが多い。下の画像は虎ノ門ヒルズとルミネ有楽町のエレベーターである。違う仕様のエレベーターだが、どちらも左に開くボタン、右に閉まるボタンがついている。また、開くボタンにだけ緑色になっていて視覚的にどちらが開くボタンであるか瞬時に判断できる仕様となっている。ルミネ有楽町のボタンはさらに開くボタンのみ大きくなっていてよりわかりやすい。
ではなぜ左が開くボタンなのか。扉に対して近い方が開くボタンとして統一されているのではないかと予想する。また開くボタンの方が強調されたデザインになっているのは、閉まるボタンよりも緊急性が高く間違えて人やものを挟む事故に繋がらないようにという予防的観点からなのではないだろうか。
【車椅子用ボタン】
車椅子用のボタンが低い位置にあるというのは想像に容易い。車椅子の人が座ったまま押せるように床から約1メートルの高さにある。(参考:東芝エレベーター株式会社https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/safety/elevator/user/barrier.html)
また、開く時間が通常ボタンを押したときよりも長くなったり、ゆっくりと閉まるという特徴が車椅子用ボタンにはある。
【まとめ】
いつも何気なく乗っているエレベーターも、一つ一つじっくりボタンの役割や位置などを観察したり考察してみるととても深い意味を持ったものだということがわかった。
生活していく上で全ての人が快適に使えるようにデザインされているエレベーター。まだまだ分析しがいがある。
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